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桜花に夢見る麗しの館 ~アール・デコの館 展 感想~

何だか寒々として曇りの日が続いて、折角の桜が勿体無いなぁなと思う今日この頃。
ほきゃいどーでの桜は若木であったり山桜系であったりと染井吉野が主流の本州の桜たちとは趣違ってございましたが、久方ぶりの本州の桜。
春の霞、花の雲・・・その様な喩えがぴったりだなぁと思うて、ご近所の桜たちを楽しんでおります。
皆様におかれましては、お花見などされましたでしょうか。
お晩です、皇夜です。

本日は4月に入り、早速展覧会を見に行けましたので、その感想をば述べとうございます。
今回は所謂絵画の展覧会とは少々趣を異にしまして、東京は目黒にございます東京都庭園美術館の建物公開であります。
こちらは旧朝香宮邸の御屋敷を美術館として活用しているのですが、まさに建物自体が美術品。というのもアール・デコ様式に彩られた麗しい館なのであります。
アール・デコ様式とは簡単に言いますと、幾何学図形などをモチーフにした装飾様式です。よく、アール・ヌーボーの植物をモチーフとした有機的装飾デザインと比較されたりしますが、個人的にはアール・デコの方が好きだったりします。

そんな庭園美術館ですが以前よりこちらで開かれる展覧会は、やはり建物の特殊性からでしょうか、個性的な催しが多くございました。個人的には絵画よりも工芸や服飾などの展示の方がより映えると思っておりまして、ここでファッションショーでもやったら素敵だろうなぁと、密かに妄想したり(爆)。

さて、今回はこの建物自体を楽しむのが目的の展覧会でございます。
普段の展覧会では入ることの出来ない部屋まで入れるばかりでなく、建物の外装はもちろん、内部も写真撮影OKなんであります。
アール・デコ様式大好きな私としましては、もうたまらんです~@@
しかも丁度庭園に咲く桜花も満開の由、デジカメ片手にいざ目黒へ!!


まずは、久方振りの庭園美術館。
“ワタクシ的美術館も芸術的!ランキング”の上位に常にランクインしている美術館です。<なんじゃそりゃ;
ホンとに心浮かれてスキップでもしそうな勢いで訪れました。 <ヤメレ
しかし、今回も驚いたのは、人の多さ(笑)。
まあ日曜日でしたし、桜も満開だから仕方ないかと思いましたが、それにしても何だろ~、やっぱ私がほきゃいどーに行っている間、ニポン人の美術や芸術に対する関心の度合いが上がったんだろうか・・・?
それはさておき、入り口から木々のアーケードを歩くこと少々、それが終わると視界が一気に開け、美しく色づいた満開の染井吉野ごしに、建物の全貌が見えました。
曇り空であったのが惜しいものでしたが、それでもやはり趣深い佇まい、
それを控えめに、けれども艶やかに色添える櫻木。
もぅ、この光景だけでウットリしつつ、早速パシャパシャ写真を撮りました。

桜と美術館の饗宴に見惚れた後、いざ美術館の中へ。
入りますと、本当に何度訪れても溜息が零れる美しい館・・・。
1階の中央ホールで暫し ぼぉっ とするアフォがいっぴき(爆)。
けれどもまるでスイッチが入ったかの如く、その後は只管館内を撮りまくりました(笑爆)。

普段の展覧会では公開していない客間や、入れない通路も本日はガンガン入れまして、
そうして館内を舐めまわすように見て、撮りまくって(笑)、
改めてこの館の装飾の素晴らしさ、美しさに眩暈を起こしつつ(爆)、
でも、その事以上に、今回初めて気付き、且つ最も驚愕し、目から鱗が落っこちたものがあります。
それはズバリ“暖房器具”でございます。
なんと蒸気(スチーム)によるセントラル暖房だったんですッ!!
セントラル暖房と言いますのは、各部屋に設置したパネルヒーター等のラジエーターから放熱する輻射熱による全館暖房、つまりイメージとしては魔法瓶のような感じで、ほんわり家全体を暖めるというものでございます。
よーするに家の中で温度ムラがなく、冬のトイレや洗面所での寒さとオサラバできる素晴らしいものなんです。
ニポンではとーほく地方やほきゃいどーのような寒冷地以外ではあまり馴染みのない暖房方式でございますが、欧米ではスタンダードなものでございます。
朝香宮邸がこの地に竣工したのは昭和8年。今からおよそ70年ほども昔、おそらく建物の断熱や気密なんか考えもしていなかっただろう時代にセントラル暖房だったなんて・・・。
と、これだけでも十二分に驚きだったのですが、さらにさらに極めつけ!!
各部屋に設置された放熱する為のスチーム管がですね、何とも見事なアール・デコ様式のカバーで覆われて、部屋の雰囲気を壊さないどころか、調度品となって部屋の優雅さを引き立てているんですよ~@@
スチーム管単体でしたら、ホッンとに色気の無い(爆)ものです。
あれですよ、よく小学校の教室なんかにあった銀色のジャバラ状の金属管です。
でもそれをそのまま丸出しにするのではなく、装飾しようとする意識が素敵といいますか、
今のニポンに足らんのは、この美意識だッ!! と一人コーフンしてしまいました(笑)


そんな暖房器具に目から鱗でしたが、その他と言えば、やはりこの時期ならではと申しましょうか、色々計算されて立てられた事が伺えるものがありました。
それは2階の若宮の部屋窓や書庫の窓からの景色でございました。
庭に咲く櫻木が、丁度窓枠が額縁のようになって、一枚の絵のように、それは見事なもの。
特に書庫の窓からの桜は、書棚の重厚な趣と照明を落とした落ち着いた部屋の中と、
窓で切り取られた窓外の桜との対比が・・・・・・非常に美しかったです。

又、こちらは昭和58年に美術館として新たに解放されましたが、それに伴って部屋の一部が改修されたりしました。
大きく変わったところは、お屋敷の折には喫煙室であった部屋です。
こちらは美術館となるにあたって、展示しやすいように改修されてしまいましたが、
今回は往時を偲ぶ家具と共に、写真も展示されておりました。
書院造のある部屋に絨毯を引き、その上に萌黄色のソファを並べて、
食事の後、ゆったりと男性のみだけで煙草を楽しんでおられた空間。
和洋折衷の素敵なお部屋で談笑する殿方の光景が、鮮やかに目に浮かびました。

その他にも、壁紙が往時のものではなくなっておりますが、一部そのままのお部屋もありまして、そちらも今回は公開されておりました。
壁紙だけを取り出して展示もされておりましたが、それだけを見ると、少々地が煌びやか過ぎて、これが部屋前面にあったら五月蝿いんじゃないかなと思ったのですが、
現存するお部屋を目の当たりにして、再び目から鱗が(笑)。
確かに、明るい照明の下では、キラキラしてしまうかもしれませんが、お部屋の照明は柔らかで穏やかな、そしてそこまで明るさのあるものではございません。
するとどうでしょう、その柔らかな照明の光に照らされて見えた壁は、本当に品良く、控えめであり、部屋全体を見事に美しく彩られていました。
これを見た瞬間、私は京都の廓屋さんの装飾美を思い出しました。
と言いますのは、その廓屋さんでは壁に紅葉を埋め込んでいるんですが、日中見ても確かに美しくあります。
しかし、こちらの壁の真の美しさが発揮されるのは廓屋さんが最も華やぐ夜、行灯の朧に揺れる明かりの中で見た時とのこと。
薄明かりの中で照らし出された壁面の紅葉たちは、揺れる光と相まって、正に落葉の舞の如く見えるのだとか・・・。

こうした顕わにし過ぎない、朧な明かりの中の美を好むのは、この国の持つ誇るべき文化だと思うのです。
それが、往時の最先端の西洋装飾で彩られたこの館にも息づいている―――
正に日本ならではのアール・デコの結晶だと・・・・・・本当に感動しました。

建物自体もさることながら、“庭園”と冠しているだけありまして、お庭も大変良いです。
こちらにも櫻木が植えられており、丁度満開でございました。
今回は建物を見て回るのに時間を取られ、また肌寒い陽気ということもありまして、それほどお庭散策をしませんでしたが、でもやはり溢れる緑と木々、池に茶室、そしてゆったりとした芝生の広場は、歩くだけでも癒される感じでございます。
中でも庭園の櫻木は染井吉野がほとんどでしたが、
離れたところに1本だけ枝垂桜がありまして、染井吉野とはまた違った色合い、風情があり、
ここでもまた、 ぼぉっ と見とれるマヌケが1ぴき(笑)


*~*~*~*~*


アール・デコを体感するには最高の場所でございますし、生活に息づいた装飾美に目から鱗する(笑)素敵な催しですので、おススメですvv
そして今は桜が満開!決して本数が多いわけではございませんが、美術館との饗宴が大変美しゅうございますvv
また、美術館に併設のカフェも素敵な雰囲気ですので、お散歩やデートなんかにもいいんじゃないでしょうかv

▼ご案内▼
東京都庭園美術館 
アール・デコの館 展
3月25日~4月11日マデ
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