煌く貌は何をか語らんや ~レンピッカ展 感想~

黄金の休日も過ぎ、漸く暖かくなってきました今日この頃、
皆様におかれましては、お変わりなくお過ごしでしょうか。
お晩でございます、皇夜です。

さて本日は、渋谷はBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の
【美しき挑発 レンピッカ展 本能に生きた伝説の画家】
を見て参りましたので、その感想をば述べようかと思います。

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タマラ・ド・レンピッカ(1898~1980)はポーランド生まれの女流画家。
一般的にはアール・デコの画家と区分されています。
実は、とても恥ずかしい話なのですが、私、大変不勉強でして、この展覧会で初めてレンピッカ氏の名と画業を知りました。
では何故に名前も知らなかった画家の展覧会に行く気になったのか、と申しますと、展覧会の広告塔として使われているあの緑の服の女性像が、どーにもこーにも心に引っ掛かりまして。更には私が敬愛する同志の方々も、この展覧会をお勧め下さいましたので、画家に関して無知ではございましたし、苦手な町ナンバー1(大爆)な渋谷ではございましたが、心を決して行く事に。
ですが、繰り返しになりますが、この画家に関する知識が全く無かったので、本当にまっさらな状態で素直?に作品を見る事が出来、却って非常に意義深かったです。


さてBunkamuraでの展覧会に行くのは昨年の10月以来久し振り。
あの場の空気は好きなのですが、そこへ辿り着くには渋谷の街中を通らねば;;
おそらく、ツウ(?)な方々は渋谷の街中なんか通らず、抜け道を通って行かれるのでしょうが、こちとらそのようなもの、これっぽちも存ぜぬ田舎モノ(爆)。
しかも行くと決めた日はゴールデンウィーク中の休日。
・・・・・・想像しただけでも、うんざりしてしまいましたが、実際に行きますと、更にテンションは下降する一方(大爆)。
すごまじい人波に、とにかく早くBunkamuraへ行くのだ! と眩暈を起こしそうになる我が身に鞭打ち心を強く持って(?)、只管人の合間をすり抜けつつ目的地へ。
そうして辿り着いたBunkamuraは、相変わらず同じ渋谷にあるとは思えないような、ゆったりとした落ち着いた空気に包まれておりました~@

さてさて、展覧会。
普段私は展覧会場で表示されている説明書きをあまり読まない派(そんな派があるんか;)ですが、今回はじっくりと読んでみました。
すると、意外にもといっては失礼かもしれませんが、詩的な文章だったりしてちょっとした新たな発見をしましたv
作品の方ですが、 “・・・すごいなッ” の一言。
人物画が主でしたが、大画面いっぱいに人物が描かれ、まるで、そこからはみ出さんばかり。
筆致ではなく、面で対象を捉えて描く――― 細々とした描写はないけれど、捉えた面の響き合いというか、むしろぶつかり合い とでも言うべきか、それがエネルギッシュに感じられ、そのまま絵の存在感、迫力に繋がっているよう。
そして特に代表作とされている女性像は、作為的に体を捻った独特のポーズ。
それが見事に嵌って、とても“動き”を画面に与え、同時にエネルギッシュさを強めているように感じました。
今回展示されていた作品の多くは女性でしたが、そこでも大きな驚き。
何かと申しますと、こんなにも美しく、そして官能的に描きながらも決して媚びる様な厭らしさもなければ下品にもなっていない――― 本当に見事なまでに煌くような女性の強さと美しさを現していた事です。
特に驚き、そして魅せられたのはレンピッカの娘ギゼットを描いた作品群です。
母が娘を愛しんで温かな眼差しで描かれた絵もありましたが、代表作と言われるものは
少女時代の姿でも、成熟した大人の姿でも ――― 実に蟲惑的でした。
そこに描かれたギゼットは、【自分の娘】という目で見た姿ではなく、【ギゼット】という名の少女、あるいは女というように、突き放して【他人】を見るように描かれている。
だからこそ、他のモデルたちと同じように女性の美と官能を描き出せたのでしょうが、しかしそれだけに留まらない。ギゼットを描いた作品群にはどこかしら悩ましい誘惑、ある種禁忌の馨りがしてならない。そこにはやはり変えようのない事実、【自分の娘】というものが、絵の奥底にあるからだ ――― と。
相反する視点が交差し、その綾に紡ぎ出された女性像は、輝く美と仄暗い馨りを纏い、観る者の心を捕らえ、掻き乱さずにはいられない―――

・・・ま、私の非常に勝手な感想でございますがね^^;

後半生の作品もそれぞれ非常に見ごたえがありました。その時代時代に合わせて、と言いますか、敏感にその時の芸術動向を感じ取り、自作に取り入れるよう挑戦し続けたアグレッシブさには、ただただ脱帽。その心意気、潔さは、正に彼女の全盛期の女性像のような強い美しさだな と。“美しき挑発”とタイトルが謳われていますが、レンピッカ氏の画業や生き様を見るに、むしろ“美しき挑戦”というべきでは――― なんて一人思ったり(爆)。

そんな風に作品自体に魅せられた展覧会でありましたが、更に今回は展示の仕方、アプローチにもヤラレましたね(笑)。
この展覧会でも1つのメインとなる展示室の壁面はオレンジ色、そこに置かれた休憩用のソファが黒い綺羅布、そして他の展示場との境の一部に黒綺羅の簾 ――― 。
・・・とてもスタイリッシュで、レンピッカの作品をよりクールに美しく映えさせていました。

そして、あと一つ。この画家ご自身、非常にお美しい・・・@
本人もそれを十分に承知していたようでして、著名な写真家たちに自分の写真を沢山撮らせていたようです。で、そのポートレートが、これまた非常にお美しい~@@まるでハリウッドの大女優のような雰囲気と美しさ、そしてポージング。・・・何と言いますか、これまた“・・すげぇわ・・・” としか言えませなんだ(爆)。まぁ、これだけの美貌でしたら、自分の演出だって楽しいだろうなぁ なんて思いました(笑)。


・・・とまぁ、大変見応えのある展覧会で、同時にこの画家自身もどんな人となりで、どのような人生を送ったのだろう と興味湧かせるような非常にドラマティックな生き様でして、ついつい図録を立ち読みしてしまいました(爆)。
また彼女の全盛期は、いわゆる“狂乱の時代”と言われた1920年代でして、作品からはその空気も存分に感じられ、往時を想うも一興かと(笑)。
そんな訳で、お勧めですvv


▼▼▼ ご案内 ▼▼▼

美しき挑発 レンピッカ展 本能に生きた伝説の画家
Bunkamuraザ・ミュージアム
10:00~19:00
2010年5月9日マデ


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そして、お勧めと言えば!!!
渋谷とは目と鼻の先、目黒で絶賛開催中のIFAA展覧会も、これまた非常にお勧めです!!
ギャラリー様は住宅街にある1軒屋でして、本当に幻想の館のようですよ~@@
私も最終日はおりますvv
おそらく黒ずくめの格好でウロウロしていると思われますので(爆)、どうぞお気軽にお声を掛けて下さいませ~vv

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桜花に夢見る麗しの館 ~アール・デコの館 展 感想~

何だか寒々として曇りの日が続いて、折角の桜が勿体無いなぁなと思う今日この頃。
ほきゃいどーでの桜は若木であったり山桜系であったりと染井吉野が主流の本州の桜たちとは趣違ってございましたが、久方ぶりの本州の桜。
春の霞、花の雲・・・その様な喩えがぴったりだなぁと思うて、ご近所の桜たちを楽しんでおります。
皆様におかれましては、お花見などされましたでしょうか。
お晩です、皇夜です。

本日は4月に入り、早速展覧会を見に行けましたので、その感想をば述べとうございます。
今回は所謂絵画の展覧会とは少々趣を異にしまして、東京は目黒にございます東京都庭園美術館の建物公開であります。
こちらは旧朝香宮邸の御屋敷を美術館として活用しているのですが、まさに建物自体が美術品。というのもアール・デコ様式に彩られた麗しい館なのであります。
アール・デコ様式とは簡単に言いますと、幾何学図形などをモチーフにした装飾様式です。よく、アール・ヌーボーの植物をモチーフとした有機的装飾デザインと比較されたりしますが、個人的にはアール・デコの方が好きだったりします。

そんな庭園美術館ですが以前よりこちらで開かれる展覧会は、やはり建物の特殊性からでしょうか、個性的な催しが多くございました。個人的には絵画よりも工芸や服飾などの展示の方がより映えると思っておりまして、ここでファッションショーでもやったら素敵だろうなぁと、密かに妄想したり(爆)。

さて、今回はこの建物自体を楽しむのが目的の展覧会でございます。
普段の展覧会では入ることの出来ない部屋まで入れるばかりでなく、建物の外装はもちろん、内部も写真撮影OKなんであります。
アール・デコ様式大好きな私としましては、もうたまらんです~@@
しかも丁度庭園に咲く桜花も満開の由、デジカメ片手にいざ目黒へ!!


まずは、久方振りの庭園美術館。
“ワタクシ的美術館も芸術的!ランキング”の上位に常にランクインしている美術館です。<なんじゃそりゃ;
ホンとに心浮かれてスキップでもしそうな勢いで訪れました。 <ヤメレ
しかし、今回も驚いたのは、人の多さ(笑)。
まあ日曜日でしたし、桜も満開だから仕方ないかと思いましたが、それにしても何だろ~、やっぱ私がほきゃいどーに行っている間、ニポン人の美術や芸術に対する関心の度合いが上がったんだろうか・・・?
それはさておき、入り口から木々のアーケードを歩くこと少々、それが終わると視界が一気に開け、美しく色づいた満開の染井吉野ごしに、建物の全貌が見えました。
曇り空であったのが惜しいものでしたが、それでもやはり趣深い佇まい、
それを控えめに、けれども艶やかに色添える櫻木。
もぅ、この光景だけでウットリしつつ、早速パシャパシャ写真を撮りました。

桜と美術館の饗宴に見惚れた後、いざ美術館の中へ。
入りますと、本当に何度訪れても溜息が零れる美しい館・・・。
1階の中央ホールで暫し ぼぉっ とするアフォがいっぴき(爆)。
けれどもまるでスイッチが入ったかの如く、その後は只管館内を撮りまくりました(笑爆)。

普段の展覧会では公開していない客間や、入れない通路も本日はガンガン入れまして、
そうして館内を舐めまわすように見て、撮りまくって(笑)、
改めてこの館の装飾の素晴らしさ、美しさに眩暈を起こしつつ(爆)、
でも、その事以上に、今回初めて気付き、且つ最も驚愕し、目から鱗が落っこちたものがあります。
それはズバリ“暖房器具”でございます。
なんと蒸気(スチーム)によるセントラル暖房だったんですッ!!
セントラル暖房と言いますのは、各部屋に設置したパネルヒーター等のラジエーターから放熱する輻射熱による全館暖房、つまりイメージとしては魔法瓶のような感じで、ほんわり家全体を暖めるというものでございます。
よーするに家の中で温度ムラがなく、冬のトイレや洗面所での寒さとオサラバできる素晴らしいものなんです。
ニポンではとーほく地方やほきゃいどーのような寒冷地以外ではあまり馴染みのない暖房方式でございますが、欧米ではスタンダードなものでございます。
朝香宮邸がこの地に竣工したのは昭和8年。今からおよそ70年ほども昔、おそらく建物の断熱や気密なんか考えもしていなかっただろう時代にセントラル暖房だったなんて・・・。
と、これだけでも十二分に驚きだったのですが、さらにさらに極めつけ!!
各部屋に設置された放熱する為のスチーム管がですね、何とも見事なアール・デコ様式のカバーで覆われて、部屋の雰囲気を壊さないどころか、調度品となって部屋の優雅さを引き立てているんですよ~@@
スチーム管単体でしたら、ホッンとに色気の無い(爆)ものです。
あれですよ、よく小学校の教室なんかにあった銀色のジャバラ状の金属管です。
でもそれをそのまま丸出しにするのではなく、装飾しようとする意識が素敵といいますか、
今のニポンに足らんのは、この美意識だッ!! と一人コーフンしてしまいました(笑)


そんな暖房器具に目から鱗でしたが、その他と言えば、やはりこの時期ならではと申しましょうか、色々計算されて立てられた事が伺えるものがありました。
それは2階の若宮の部屋窓や書庫の窓からの景色でございました。
庭に咲く櫻木が、丁度窓枠が額縁のようになって、一枚の絵のように、それは見事なもの。
特に書庫の窓からの桜は、書棚の重厚な趣と照明を落とした落ち着いた部屋の中と、
窓で切り取られた窓外の桜との対比が・・・・・・非常に美しかったです。

又、こちらは昭和58年に美術館として新たに解放されましたが、それに伴って部屋の一部が改修されたりしました。
大きく変わったところは、お屋敷の折には喫煙室であった部屋です。
こちらは美術館となるにあたって、展示しやすいように改修されてしまいましたが、
今回は往時を偲ぶ家具と共に、写真も展示されておりました。
書院造のある部屋に絨毯を引き、その上に萌黄色のソファを並べて、
食事の後、ゆったりと男性のみだけで煙草を楽しんでおられた空間。
和洋折衷の素敵なお部屋で談笑する殿方の光景が、鮮やかに目に浮かびました。

その他にも、壁紙が往時のものではなくなっておりますが、一部そのままのお部屋もありまして、そちらも今回は公開されておりました。
壁紙だけを取り出して展示もされておりましたが、それだけを見ると、少々地が煌びやか過ぎて、これが部屋前面にあったら五月蝿いんじゃないかなと思ったのですが、
現存するお部屋を目の当たりにして、再び目から鱗が(笑)。
確かに、明るい照明の下では、キラキラしてしまうかもしれませんが、お部屋の照明は柔らかで穏やかな、そしてそこまで明るさのあるものではございません。
するとどうでしょう、その柔らかな照明の光に照らされて見えた壁は、本当に品良く、控えめであり、部屋全体を見事に美しく彩られていました。
これを見た瞬間、私は京都の廓屋さんの装飾美を思い出しました。
と言いますのは、その廓屋さんでは壁に紅葉を埋め込んでいるんですが、日中見ても確かに美しくあります。
しかし、こちらの壁の真の美しさが発揮されるのは廓屋さんが最も華やぐ夜、行灯の朧に揺れる明かりの中で見た時とのこと。
薄明かりの中で照らし出された壁面の紅葉たちは、揺れる光と相まって、正に落葉の舞の如く見えるのだとか・・・。

こうした顕わにし過ぎない、朧な明かりの中の美を好むのは、この国の持つ誇るべき文化だと思うのです。
それが、往時の最先端の西洋装飾で彩られたこの館にも息づいている―――
正に日本ならではのアール・デコの結晶だと・・・・・・本当に感動しました。

建物自体もさることながら、“庭園”と冠しているだけありまして、お庭も大変良いです。
こちらにも櫻木が植えられており、丁度満開でございました。
今回は建物を見て回るのに時間を取られ、また肌寒い陽気ということもありまして、それほどお庭散策をしませんでしたが、でもやはり溢れる緑と木々、池に茶室、そしてゆったりとした芝生の広場は、歩くだけでも癒される感じでございます。
中でも庭園の櫻木は染井吉野がほとんどでしたが、
離れたところに1本だけ枝垂桜がありまして、染井吉野とはまた違った色合い、風情があり、
ここでもまた、 ぼぉっ と見とれるマヌケが1ぴき(笑)


*~*~*~*~*


アール・デコを体感するには最高の場所でございますし、生活に息づいた装飾美に目から鱗する(笑)素敵な催しですので、おススメですvv
そして今は桜が満開!決して本数が多いわけではございませんが、美術館との饗宴が大変美しゅうございますvv
また、美術館に併設のカフェも素敵な雰囲気ですので、お散歩やデートなんかにもいいんじゃないでしょうかv

▼ご案内▼
東京都庭園美術館 
アール・デコの館 展
3月25日~4月11日マデ

過去の名作 現在の逸品  ~ 長谷川等伯展 ほか 感想 ~

春になったからというわけも多分にあると思いますが(爆)、
昨年7月に東京へ戻って?来てから半年以上たった今、
漸く仕事と絵の制作のバランスが取れつつあり、
やっと周囲に目をやる余裕が出てきました というのが大きな理由でしょう。
今月になって美術館での展覧会を1展、ギャラリーでの展覧会を2展、見ることが出来ました。
あと出来たら今週末にも2展ほど見たいなぁと思う今日この頃、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?
お晩でございます、冬眠から覚めた(爆)皇夜でございます(撃沈)。


さて、本日は、そんな展覧会の偏りまくった感想を。
全てすでに会期は終了してしまいましたが、取りあえず私の脳内整理も兼ねて(爆)感想をば。


まずは美術館の展覧会。こちらは東京は国立博物館の平成館にて公開されていました
【長谷川等伯展】でございます。

私事ながら、今年初の展覧会、そしてなにより東博(↑国立博物館のことです)のあの空間感が大好きなので、生憎の雨模様もなんのその、心は浮かれ、いざ行かん―――
・・・だったのですが、まず出鼻をおもいっきし挫かれたのが、人の多さ!!!!
まぁ、確かに土曜日でしたから致し方ないかもしれませんが、
正直、等伯ってこんなに一般の方々に認知されていたっけ!?
ナニナニ、私がほきゃいどー行っている間にニポン人の美術的教養がすんごく上がったの!? ←超失礼;;
と、驚いてしまうくらいの人気っぷり。
しかしだからといって、ここで立ち止まって何になる!
と、決意を新たに、人垣幾重にもなる会場へ乗り込みました。 <大げさな;

まずは、これだけの量の作品が一堂に会しますと、本当に圧倒されます。
しかし、いくら量があれども質が伴わなければ非常に退屈で腹立たしい展覧会に様変わりしますが(苦笑)、今回はそんなことは全くなし!!
正に等伯の画業と、そして彼の人生の足跡を辿れる素晴らしい内容のものでした。
どの作品も食い入るように、そして舐め回すように見ても、見飽きるということなどない。
私としては鑑賞するには少し苦手意識のあった仏画も、絵の持つ美醜云々より、何を第1儀として描かれたのか、それがとても伝わる作品群でした。
そしてそれら全てが作家自身の至純なる想いの美しさを感じられるもので、出るは溜息ばかり。
改めて、仏画の素晴らしさと、そしてこういった信仰画というものは、易々と描くものではない、本当に心の裡から湧き出る“想い”が無くては、決して描くべきではないな と、
静かに諭された、そんな感じです。

そんな風に初っ端の仏画から骨抜きにされましたが、(笑)次々に現れる画の全てが、本当に素晴らしい。
何よりも画面構成の妙といったら 「・・・上手いッ!」 と言うしかない(笑)。
更に驚き素晴らしかったのは、小品でも大作で醸し出すような空気感、世界観が描かれており、
逆に大作でもどこを見ても手を抜いていない、抜かりがなく、しかしてそれが画面全体で五月蝿くなっていないどころか、却って作品の存在感、パワーを強くしていると感じられることです。
特に屏風に関しましては、等伯の生きた安土桃山という時代特有の躍動感とでも言いましょうか、そういった時代のエネルギーを感じるパワフルなものでした。

ただ、非常に惜しまれるのが、保存状態があまりよろしくないものが多く、画面の皺や更には絵の具が剥落している作品もありました。
そういった年月を経た風合いということを、屏風画や障壁画においては制作時に計算されているもので、必ずしも出来た当初の色具合が絵師が願ったものではないと言われますが、
それでもやはり、この迫力ある画面の、当初の色が再現されたら、よりエネルギー迸る凄い作品群になるのでは――― と、私なぞは安易に考え、鮮やかであったであろう当初のその様に思いを馳せてしまいました。 


と、心躍る諸々の素晴らしい作品を堪能した最終地は、正に等伯芸術の極致、
ご存知、国宝【松林図屏風】です。
個人的には、そこへ至るまでの展示作品がカナリこの画に筆の筆致や空間の現し方が近づいているなぁと思わせるようなものが並んでいまして、内心
“もうすぐだ!いよいよだぁ~vv”
と逸る心を抑えつつ(笑)順次閲覧しておりました。
しかし、彼の作品へ至る直前の二作品に、不覚?にもあまりの美しさに腰砕けしました(笑)。
まずは【檜原図屏風】。
遠景の山の画と和歌が書かれたものですが、この和歌の文字のバランスと画の響きあいが非常に美しく、これぞ日本文化の為せる美よ と、只管感動しました。
こういった書と画が一体となり、互いに互いの世界観を増幅しあうものは日本美術には、良く見かけますが、和歌の素養がなくても単純にその画面を見ただけで、
その美を、世界を感じられるものは、私の勝手な印象ですが、あまり無いように思います。
和歌(の文字)だけが浮いて見えるのでなく、又、画だけが見えて却って和歌が邪魔くさくなっているわけでもない――― 本当に絶妙なバランス、画面構成、そして美意識。
・・・なんだか、訳もなく“私が甘うございましたッ~” と頭を下げたくなるような(笑)そんな逸品でした。
そして続いて現れたは【月夜松林図屏風】。
もう、見た瞬間、泣けました。このあまりの美しさに。
描かれた麗色は勿論、それを現す為に計算され施された技法には、ただただ感歎するばかり。
・・・時間を忘れ、暫しその前で佇んでおりました(笑)。


と、もうここまででもオナカイッパイ、大々満足しておりましたが(笑)、
展覧会の最後を締めくくるは【松林図屏風】。

最早、言葉など・・・ありませぬ。

かねてより私的三大屏風の一つでもありましたし、
数年前にも別の特別展にて見た際も骨抜きになった逸品でございますが、
こうして等伯の足跡を辿った末に見ますと、
この素晴らしさ、奥深さは、身命に至らしむるほど――― 感じ入るものがございました。
と同時に、こうした感性、美意識は、この国ならでは、
四方を海に囲まれ、潤む大気、織り成す四季の錦、
そして幽けき静寂が在る やまとのくに に生きる者ゆえの
素晴らしき、誇るべきものだと・・・改めて感激。

本当に、人波を掻き分けて(爆)見た甲斐が存分にあった、素晴らしい展覧会でした(笑)。


*~*~*

そんな等伯展の興奮冷めやらぬまま、同日もう1展、見ました。
こちらは新橋にありますギャラリー様での展覧会。
IFFAにも参加されていらっしゃいます作家様の個展でございました。
こちらの作家様の御作品、実物を拝見するのは2度目ではございますが、
1度目拝見した時は、バー(しかもホラーなvv)の店内に飾られてありましたものでして、場所柄上、どうしても暗い照明の中でのご対面で、細やかなところまで見ることが出来ませんでした。
ですので、実質、今回がお初のようなもの。
このような事を私が言うのは大変おこがましく、気が引けるのですが、
本当にテーマと作家様の思想と、そして純然で明快なる「絵としての」美しさが合致した、素晴らしい御作品の数々でございました。
今回は新作と、テーマの系譜に連なる過去作品の展示でございましたが、
どちらも本当に素敵で、耽溺するようにその絵世界を堪能させて頂きました。

途中から合流した友人作家様のSさんとこちらの作家様が仲がよろしく、
又、展覧会の後に新宿にある素敵なバーへご一緒するお約束をさせて頂いていたとは言え、
ご本人様のお話を沢山聞くことが出来ましたことは、本当に良いのかしらん と戸惑ってしまうほど非常に有難かったです。
技巧的な事や具体的な話、勿体無いくらい様々にお話し頂いて、実質的に大変勉強になった上、
最近殊に悩んでいた私の制作上の問題も、 パッ と解決の一端が見えまして、
やはり経験者のお言葉は違うな、凄いな! と感歎するばかり。

絵の技法や思想、思考についての学びは、私は過去の私的名作家様方に私淑する方法を取っておりますが、実際にご活躍されていらっしゃる方のナマのお話は、よりリアルで、具体的な指針になるなぁと、改めて感じ入りました。
同時に、こんな風に色々教えて下さる先輩作家様は、大変稀少で、
そしてとても有難いと、強く思いました。
改めて、N様、本当に有難うございました。


更には素敵なバーも紹介して下さって、愛酒家の私にはたまらんヒトトキでした(笑)。
蠍をつけたウォッカで作られたモスコミュールは絶品!
そしてバーの城主様も魅惑的な方で、今回はあまりお話が出来ませんでしたが、
色々とお話しを伺いたいなぁと思う方でしたv
そしてご一緒したSさんは、来年(だったと思いますが;)こちらのバーで個展をされるご予定だそうです。
個人的にはSさんの作風とこのバーの雰囲気は物凄く合っていると生意気にも思っていまして^^;
しかもテーマも・・・カナリ素敵なんですよ!
ですので今からSさんの個展がとても楽しみですv


*~*~*


そんな濃密な展覧ツアーな日からそれ程に時置かずして別の日に、もう1展見ることが出来ました。
こちらは新宿は歌舞伎町にありますギャラリー様での知人作家様の個展。
こちらの作家様とは何度かお会いし、また私が敬愛して止まないこの世界での同志の方々とも繋がり深い方でして、そのパーソナリティーは存じ上げておりましたが、
実作を拝見するのは、実は今回が初めて。
それもあり、非常に楽しみにしておりました。

同志の方からのお誘いもあって展覧会初日に伺うことにしましたが、何分平日だった為、
果たして開廊時間に間に合うのかッ!? と、アワアワしながらトテトテ新宿の街を走り、
目指すギャラリーに着いたのは、閉廊時間の30分前!
ともあれ間に合った~ と安堵したのも束の間、な~んと会場ではギャラリートークが開催されていて、絵を間近で見ることが出来ない状況に;; 
取りあえず呼吸を整え、途中からでしたが作家様と今回こちらの個展を企画された評論家様による対談形式のギャラリートークを拝聴。
非常に興味深く、同意する事もあれば、そのような見方、考え方もあるのかと新鮮な驚きも多々ありまして、大変おもしろかったです。
ただ、そのトーク終了が閉廊時間の3~5分くらい前ということで、残りの僅かな時間で大慌てで作品を拝見することになってしまったことだけが、大変残念。
そんな急ぎ足の中で見ても、とても画面から響いてくるものがありました。
だから尚更、ゆっくりと時間を掛けて作品と対話したかったと、本当に悔やまれたです。

その後は場所を移して作家様、評論家様、作家様のご友人知人様方、同志の方々と共に、
飲みながら芸術談義に花を咲かせました。
そして思うことは、やはり同時代を生きる作家様方の話を聞く事は、本当にいい刺激になるなぁ ということ。
まして、自分とは表現スタイルを異にしたり、追及されるもの、方向が違う方々の話は、
視野を大きく広げたり、自分の考えを改めて見直したりと、非常に勉強になります。
と同時に、私も頑張るぞ! と決意を新たに出来ますね(笑)。


*~*~*


そんなこんなで、どれも非常に素晴らしい展覧会でしたvvvvv


さてさて翻って私ですが、10月の個展へ向けて鋭意制作中です  と言っておきます(爆)。
その前に5月にはIFAAの東京展がございます。
こちらには2点出品しまして、どちらも新作です。
そして1点は、N様からの有難いアドバイスを受けて、個展作品のプレ公開にしました。

ともあれ、少しでも良いものを描けるよう、皆様にお見せ出来るよう、頑張ります~@



芸術の秋に於けるアート的小旅行のススメ ~中之条ビエンナーレ 観覧感想~

インフルが大流行の砌、皆様におかれましてはその流行に乗らず、無事お過ごしでしょうか?
私はひじょ~にビミョ~な毎日です。
と申しますのも、なんちゅーか、咳や熱などはないのですが、
常に咽喉が痛い感じです。
で、うがい、手洗いはまめにしているので、そんなにひどくもならず、
しかして、夜、スーパーに買い物に行くと、殆どと言っていい確立で
咽喉の痛みが悪化し、再び懸命にうがいをするエブリディ(爆)。
のど飴は必需品です。ちなみに一番効くのは龍○散のど飴です。
同じメーカーでもカ○ンのど飴は、私的にはまったく効きません。 <だから何だ
つかそのスーパー、平気なのか(爆)
ご挨拶が遅れました、お晩でございます、皇夜であります。


そんな中、先日久々に美術関係のイベントに行ってまいりました。
群馬県は中之条町で開かれておりますビエンナーレ、
その名も【中之条ビエンナーレ】でございます。
実は私、その存在を群馬在住の友人に誘われるまで知りませんでした。
その友人が音頭を取ってくれて、私ともう一人の友人の計3人で行ってきました☆
群馬の友人は更に車も出してくれて、お蔭で色々な会場に足を運べ、
存分に楽しむことが出来ましたvv (Rちゃん、ホンとに有難うvvv)

そんな中之条ビエンナーレ、まだ第2回目ということでしたが、
中之条町に点在する廃校になった小学校の木造校舎や古民家、倉庫などを会場に
100名近いアーティストが参加して行われているものです。
傾向としては、主に現代アートが主流のようで、立体作品やインスタレーションが
多かったと思います。
私は、自分の作品自体はいわゆる一般的概念の“現代アート”ではありませんし、
それらを創造する作家という訳ではありませんが、
鑑賞する側としては何気に好きなんであります。
作品に注釈等が付いていれば、それを参考に創造者の意図を思考しながら作品を楽しめますし、
逆に何も注釈のないものに関しましては、自分勝手に思考したり体感したりして、
感覚をフル回転させて様々に感じ鑑賞することが出来まして、中々楽しいものです。
だもんで現代アートのイベントは、
私的には“ちょっと頭と体を使って感じる遊園地”みたいな位置づけだったりします。

で、今回はと言いますと、まずは会場となった木造校舎などの存在感といいますか、
会場自体だけでも、とても魅力的なアート作品だと思いました。
歴史を感じさせる古い建物が大好きな私としましては、
それだけでも来た甲斐があったってやつでした。
して、作品は? といいますと、中々皆さん素敵な作品でした。
ただ、やはり会場自体の存在感が凄くあるので、
それにのまれているなぁと感じるものもあったりしました。
ま、あくまで私の感想ですが^^;
あと、パフォーマンスや舞踏なんかがあったら、もっとおもしろいのになぁ とも。
あ、もしかしたらあったのかもしれませんが、私が行った日は特に何もなかったです。

とはいえ、このビエンナーレのテーマが「芸術+故郷+温泉」とのこと。
そのテーマには十二分に沿っているし、魅力も凄く兼ねていたと思いました。
そう、+温泉 の部分ですが、この中之条町は、小規模の温泉街を有する町なんだそうです。
温泉が大好きな私としましては、温泉行きたし~ っと、言ったりしつつ、
その温泉街もビエンナーレの展示会場になっているとのことで、
もしや温泉に入れるかも♪と期待していると、
見事にその会場(四万温泉といいます)では無料の飲泉所や足湯所、更には温泉場もありましたvv
時間の関係上、温泉に入る事は出来ませんでしたが、足湯と飲泉はしっかりやりましたvv
で、すごいな~ って思ったのが、
この日は生憎の雨模様で、結構寒かったんですよ。
体もちょびっと冷え気味で、暖をとりたいなぁ~ なんて思うような陽気だったんですが、
まず始め、飲泉する際にお湯を手で受けていたら、
もうそれだけで何だかぽかぽかしてきたんですよ!
そして飲むと、お味はともかく(爆)何だか全身に血が巡り始めたような感覚でしたv
私は職業柄?、肩こりと首こり持ちですが、そのお湯に暫し手をあてていただけでも、
肩首が軽くなったような感じでした~@
おんなじことが、やはり足湯でも言えて、
モンの凄く足から全身にかけてぽっかぽか~ になりましたvvv
・・・これだから、温泉は止められねぇ!(笑爆)

そんな感じの温泉も楽しめるし、アートと触れ合えるし、
素敵な木造校舎でタイムスリップできるし(?)
会場を移動している間は群馬の風景を存分に楽しめますし、
ほんと、「芸術+故郷+温泉」に合致した、素敵なビエンナーレでしたvv
雨模様でしたが、私的にはその雨さえも風景に別の情緒を生み出してとても良かったですvv
それに回っている観覧者の皆さまも、会場でお番をされている係の方も、
結構地元の方が多くて、それもとても魅力的だなぁと思いましたvv
温泉街では地元のおじいさんがパンフレット片手に作品探しに歩いていらっしゃって、
何か良いなぁ~と思いました♪
普段はあまりアートに触れる機会のない方々が、
そうやって興味を持って見ていらっしゃったり、運営に携わったりするのは、
ある意味、現代アートの強みかなぁなんて思ったり。
アートは、普段日常に生活を営んでいる方々のリフレッシュの為にあるべきと思い、
それを目指している私としては、この光景はとても羨ましくもありました~@@


ただ、難を言えば・・・・
何分各会場が大きく4つくらいのエリアに分けられますが、
どれも車でなきゃ行けない距離でして、その案内地図はあるものの、割と大雑把な地図でして・・;;
・・・多分コレ、地元の人がいなきゃ、ぜってぇ回れない!つか道わかんないッ!!(泣爆)


ちなみにこちらは今月9月23日までやっていますので、
興味を持たれた方は、足を運んでみてはいかがでしょうか♪
ビエンナーレ主催のバスツアーもあるようですので、
秋の小旅行ってな感じで良いかもしれませんよv


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